7年生の子どもがいます。帰国するにあたって何から始めて良いかわかりません。帰国子女受験も大学に関する情報ばかりで、帰国後の中学校生活も予想できません…。先生ご自身の体験からアドバイスをいただけますか?
7~11年生の間に帰国する場合、受験に苦労されるケースがとても多いです。
まさに私の子ども時代と同じ例になります。
私自身4年生で渡米し、オハイオ州で3年強過ごした後、
7年生のときに日本へ帰国し編入しました。
編入で帰国子女入試を受け入れている私立中学はほとんどなく、
欠員があれば受け入れるといったスタンスの学校がほとんどです。
当時は私は公立中学に進学したかったので、特に受験をすることなく、
何の準備もしないまま帰国しました。
余談ですが、兄姉が上に二人おり、帰国時、姉は9年生で高校受験をし、
慶應義塾ニューヨーク学院に進学。兄は12年生で帰国子女入試をし、
東京理科大学に進学しました。
兄姉は海外経験をフルに活用して進学した中、
7年生(中学1年生)で帰国した私は日本の学生の中で、
日本の勉学に勤しむことになりました。
全科目授業についていけない
前述した通り、何の対策もしないまま日本へ帰国したのですが、
最初はすべての科目で公立中学の授業についていくことができませんでした。
国語や社会は今まで習っていなかったことも多いので仕方がない部分もありますが、
英語や数学も全然テストの点数がとれませんでした。
当時、実力試しのために英検を受験したのですが、
一切準備をせずに英検2級を合格できたので、
英語ができないわけではなかったのですが、
日本のテストで点数を稼げなかったのです。
英語で考えて読み書きをしていたので、和訳や英訳をするのが初めてでしたし、
勝手に意訳をしてしまったりして細かく減点されました。
クラスでも帰国子女なら英語のテストは満点だろうと注目する中、
平均点より低い点数しか取れず大恥をかいた覚えがあります。
また、社会や理科でも漢字が読めなくて教科書の意味がよくわからなかったり、
根本的なところで躓いていたので、親に頼んで補習塾に通わせてもらい、
一つずつ噛み砕いて説明をしてもらい、徐々に授業についていけるようになりました。
帰国前に少しでも準備しておけば…ととても悔やみました。
私立公立に限らず読解力を付けておこう
帰国子女の編入入試は狭き門です。
ただ、その準備の過程にとても意味があります。
中学の編入入試では、主に英・数・国のテストと面接になります。
これは、入学後授業についていけるのかどうかを判別するための試験です。
逆に言うと、この受験対策をしていけば
日本の学校でスムーズに授業についていくことが可能になるということです。
少しでも日本の勉強をしてから帰国をすれば、お子様の日本での苦労も軽減でき、
のびのびと新生活を送れるようになると思います。

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